学習には3つの要素が必要です。
理解、認知、意欲です。
学習を困難と感じている子どものどの部分が弱いのかを判断することが支援のスタートになります。
他の子供たちと同じような学習方法で指導したり、
叱咤激励して反復することで能力を引き上げようとしても
LDを抱えた子供は本人の努力では追いつけない領域があるのです。
そして根本的な子供のもっている弱いところに気づいてあげれば
より充実したサポートが可能になります。
障害への対応ではなく見通しをもった対応が必要なのです。
LDは話す、聞く、読む、書く、計算する、推論するなどいずれかの学習能力に
遅れが見られます。そしてLDとADHDが重複していたり
高機能自閉症やアスペルがー症候群にも何らかの学習障害が見られるケースもあります。
ディスレクシア(読み書き障害)だけでなくそれぞれに見られる
コミュニケーション、社会性、行動、運動の困難も考慮に入れてサポートすることが必要です。
そのうえで理解の程度、認知の偏りややる気のあるなしを見極めそれに応じて対応策を立てます。
理解の程度を判断したら理解しているところからのスタートです。
そして認知の偏りでは視覚、聴覚など脳で処理するプロセスに問題を抱えている場合
他の子供と同じ学習では理解することは困難です。
この場合、見る、聞くだけでなく触れてみる、体を動かしてみるなど
できるだけ多くの感覚を使って学習させることが効果があるとされています。
この認知の偏りのために学習が進まず二次的に意欲が損なわれていることがあります。
この場合やる気を失った原因を取り除きどんなに小さい事柄にでも達成感を味あわせて
やる気を取り戻す指導が必要です。
そして子どもと同じくらいサポートが必要なのはその子供の保護者です。
障害に気づいていない人も気づいていても受け入れることができない人もいます。
周囲の無理解や不用意な発言に傷ついている人も少なくありません。
直接問題のあることだけを言及せずに困難が発生している背景も含めて
子ども本人のせいでも親の責任でもないことをしっかり伝えてあげましょう。