2010年12月13日

ディスレクシアと英語教育

公立の小中学校の通常学級を対象とした調査で全体の6.3%(約68万人)に

発達障害の疑いがありその内の約4.5%(約49万人)が学習障害LD、ADHD

(注意欠陥多動性障害)が2.5%(約27万人)、高機能自閉症・アスペルガー

症候群が0.8%(約9万人)いう結果があります(’02の文部科学省の全国実対調査)


ごく軽い症状であっても覚えることが苦手だったり読む書くといった学習に不可欠な

ことが苦手である診断されていないグレーゾーンの子どもたちの存在を含めば

学ぶことに困難を感じている子どもたちやケアされることなく成長し、今も辛い経験

をしている大人になったディスレクシアの人たちの数は私たちが想像するより

はるかに多くいるのです。


脳の機能障害により「読む」「書く」「計算する」「推論する」などが困難であっても

知的な遅れがなく社会的にも問題の少ないディスレクシアの人たちは周囲から

気づかれにくいうえに「怠けている」「努力が足りない」など学ぶことの困難さを理解

してもらえずまた誤解を受けることも多く自己肯定できずに不登校、引きこもり、

情緒不安、うつ、暴力化などの二次障害を引き起こすケースがあります。



軽症の場合、日本語よりも顕著に英語に現れます。

日本の子どもたちは英語を学ぶことを避けて通れません。

英語の読み書きを習得するのに通常の学び方では困難な彼らを今の日本の

教育システムの中でサポートすることは非常難しいのです。


私は長年子どもたちに英語を指導してきましたがその中で出会ったディスレクシア

の子どもたちに英語の読み書きを通常やり方でマスターさせることは双方が

苦労するばかりでであると実感しています。

アメリカでディスレクシアのことや指導法を学ぶまであれこれと試してみては失敗して

いらいらしたり、がっくりしたりしていたのです。


今、私はディスレクシアの子どもたちに英語の読み書きを指導する中で英語だけで

なく自分に合った学び方に気づかせ、その学び方や理解の仕方を身に付けさせるこ

とで自分なりの学び方や社会での対応の仕方を学んでもらっています。


彼らは学べない障害を持ったのではなく学ぶことが困難であるだけなのです。

ひとりでも多くの子どもと係わる方がディスレクシアの知識を持って

彼らがどう学べば楽に楽しく学べるのかを知っていただきたいと願っています。




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